Aristocracy

Ali Project( アリプロジェクト ) Aristocracy歌詞
1.miserere(Instrument)


2.少女貴族

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

ナイトメアの途中
目蓋が開いた
裸の胸 心臓の上
赤い蝶が羽ばたいていた

いまも地下牢の柩に眠る
遙か祖先 一族たちの
王に優る気高き血が
わたしの奥で叫んでいる

目覚めよ目覚めよ aristocrat
集えよ集えよ majesty

異端をはじきだす社会に
真実の美は生まれない
腐敗 汚染 低俗の民に
天は罰を与える

ブランド狂いの継母たちは
金に物を言わせ
やや子可愛や
無能教師に託し

路上かまわず
絡まりあった
犬のような男と女
愛もクズに成り下がる
恥を知らぬヤツは葬れ

抱けよ抱けよ 叡智なる
光を光を 魂(こころ)に

この地上に美が消えれば
生きられない私たち
誇り 高貴 純血の我ら
制裁の剣を持つ

この目を汚すものは消せ
わたしを護る声がひびく

目覚めよ目覚めよ aristocrat
称えよ称えよ majesty

右に倣えのデモクラシーに
夢の未来は築けない
欺瞞 虚飾 陋劣の國に
天は遙か裂けて

降らせよ降らせよ 輝く
光を光を この身に

この地上に美が消えれば
生きられない私たち
誇り 高貴 純血の我ら
聖裁の剣翳す


3.コッペリアの柩

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

黒い太陽が
沈まぬ街で
誰もが黙って
奇術めき働く

金属の壁に
囲われた部屋
私は朝まで
死んだように眠る

あなたが見えない
この眼は見えない
我ら造りたまいし神

コッペリアの柩
人は踊り疲れた人形
祭壇の羔
機械仕掛けの夢は
どこに向かってゆく

世界の終わりを
予言が告げる
隣人の扉を
兵士たちが叩く

幾千の指が
翼のように
折られ畳まれて
祈りだけが昇る

あなたに会えない
ここでは会えない
我ら救いたまえる神

コッペリアの柩
流れる涙はもう枯れ果て
血に飢えた孤独
死は天使の和毛の
匂いをさせて舞う

それでも触れたい
この手で掴みたい
我ら護る唯一の愛

コッペリアの鼓動
生きることは痛みを知ること
脱ぎ捨てた靴を
もう一度踏みならし
迷わず歩き出す

コッペリアの柩
暗闇から目覚める光よ
祭壇の羔
螺旋の途切れた夢は
どこに向かってゆく


4.病める薔薇(そうび)

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

廃屋の庭の隅に
病める薔薇の 一株
匂いの亡霊たちが
過ぎし日々を 呼び覚ます

あの人の洩らす言葉
ひとつひとつに 胸を染め
汚れ知らぬ 少女のように
すべてを信じた

やがて死すべき その葉陰
恋の亡骸も埋もれて
なべて 土の中

いまそっと指に触れる
病みしもなお 赤き棘
わが憂い痛ましむ
気高き最後の抗い

忘れ去られし女にも
鮮らかに夢は 訪う
滲む血の如く

やがて朽ちゆく その葉陰
面影だけが仄揺れて
なべて 闇の中

いつまでも胸の奥に
病める薔薇の 一片
匂いの亡霊たちが
思い出を抱いて薫る

甘く甘く
哀しみを
彩るため


5.MALICE

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

薔薇の靴を履いて
踏みつけたいモノは何?
イトシイ アナタヲ
悪夢と快楽
その隙間が 愛なの

恋なんて美しい病気だと
思いましょう
キガフレ オシマイ
月光治療も
もはや効き目がなくて

赤く滲むことない痛みが
知らぬ間に 胸に散らばるの
あなたの指で触れてやさしく
ここは幻影城(シャトー・ノワール)

闇のローブ・ドゥ・マリエ纏って
黒衣の舞踏会 さあワルツを
あなたの指をとって
誰にも 渡さないから

繋ぎ止められるのは
蜜のからだだけですか
ハアトハ オキザリ
それならほんとの
遊戯(あそび)をつづけましょう

赤く滲みはじめた痛みを
見せてあげるから 胸を裂いて
あなたの首を寄せて囁く
あたしはマリス

研いだ銀のナイフも輝く
月夜の晩餐 ああ最期の
あなたの首を抱いて
もう二度と 離さないのよ

赤く滲みはじめた痛みを
見せてあげるから 胸を裂いて
あなたの首を寄せて囁く
あたしはマリス

研いだ銀のナイフも輝く
月夜の晩餐 ああ最期の
あなたの首を抱いて
もう二度と 離さないから


6.a la cuisine

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

あふれる果実の ジュース
人さし指ですくう ハニー
一晩中 呼びつづけた
あなたの名は
何より甘いシュガー

こんなに くっついていたら
食べられるのは beiser だけね
いくらでも 欲しいけれど
ちょっぴりおなかが
鳴っているでしょ

もうすぐカフェが できるわ
幸福のレシピを みつけたわ

aller a la cuisine
シーツを巻きつけて
aller a la cuisine
l'amour 待ってて

気をつけて
恋の炎は
舌を焦がしそうな
いきおいなの


7.桂花葬

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

盛りの森で わたし眠る
あなたの夢を
噎せるような 香りに涵し
ここから見上げる
星は 金の鎖

静かな胸を 慄わすのは
あなたが去った
足音の凍った欠片
梢に掛かった
星は 銀の斧

金木犀が 揺れてる

人はなぜ はるかなる
天ばかり 仰ぐのだろう
帰ってゆくのは
深い深い土 その下なのに

いくつ辿って 思いだせる
痺れるくらい
甘い記憶 ひとつふたつ
指をのばしても
触れるのは 風だけ

金木犀が 散らばる

弔いの列のように
時が 通り過ぎて逝く
この目を閉じれば
遠い遠い日に 戻って行ける


8.閉ざされた画室(アトリエ)

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

世界の果てから
見たなら ここが
世界の果てね

曇った 天窓
年老いた画家が
暮らす 室(へや)よ

世界中に あふれる
色という色を
見てきた あなたが

描いた 少女像(わたし)は
画布(キャンバス)のうえで
蒼く 沈み

わたしより先に
大人になってく

暖炉を 灯した
夕暮れ 天へと
むかうのは 炎

わたしは かじかむ
あなたの乾いた
指を つつむ

くずおれた灰に
おちるのも炎

その胸に 深まる海で
泳ぎを止めた
哀しみの 魚たちの行方
わたしにきかせて
ああ 欲しいと思う

わたしの眸は
未来を見つめても
輝けないのに

あなたは色褪せた
写真の青年の
眸のまま

しずかに絵筆は
遠い日を写す

その胸の 奥の窓辺で
かつて唄った
喜びの 小鳥たちのなかの
最後にわたしを
ああ 置いてください


9.un tableau blanc~絵画旅行~

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

Redonのペガサス
神秘の青(ブルー)
Rubensの天使は
薔薇いろに微笑う

Monetの睡蓮の
庭にたたずみ
Rousseauの葉陰で
しばし午睡(シエステ)

いつでもこころは
かがやくパレット
思い出を重ねる

Kislingの少年
初恋の瞳
Rossettiの少女は
愛は語らう

Cezanneの丘で
樹木を駆け抜け
Goghの星月夜
闇を彷徨う

わたしのこころは
白いタブロー
未来を描くため

この胸には
誰にも描けぬ
あなたがいつもいる


10.闇の翼ですべてをつつむ夜のためのアリア

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

叶わぬ 願いは
ひとつぶの種
深い夜へ 埋める

月のしずくで
育てたならば
どんなふうに芽がのびて
そして葩(はな)は何いろで
ひっそり 夢のどこかで
咲くのでしょうか

もしも 願いが
もうここにいないひとに
送るものなら

よごとに ますのは
闇の静けさ
もういちど あの微笑みと
やさしい声に 逢えるなら
すべてを 捨てることさえ
いとわないのに

なみだは 夜露に抱かれ
草に落ちる
その葉陰 思い出たちが
はらはら踊るよ

見果てぬ 哀しみ
空へ放てば
こうもりたちの羽に乗り
夜明けのひかりを浴びて
今宵の 夢の終わりで
消えるでしょうか

いつでも想いは
変わることなく
胸の奥に たたずむ


11.プラタナスの葉末に風は眠る(Instrument)


12.Sacrifice

作詞:宝野アリカ
作曲:片倉三起也

ガラスの空の下
この都会は瓦礫の森

ネオン色の夢が散る
其処ここに 無惨に綺麗に
その間を渡ってく
いまあたしは あなたに逢いたい
生きるために

地下室に潜んだ
子供らの 目には目を

裁き合う許し合う
ひとりでは 穢れは拭えず
注ぎたい捧げたい
ただこの身の 赤い赤い血を
生きる証を

堕落の楽園で
快楽は美徳の神
獣は肉体を喰み
少女らは虚無を孕む

もっと光を

地下室に眠れる
子供らの 歯には歯を
御母の御胸は
あまりに遠すぎる

あふれる愛の炎を
さもなくば気高き死を
ガラスの空の下
この世中瓦礫の森


13.solemnis(Instrument)